「ワトソン君、僕はぐーっと脊伸びをすることが出来て、こんな嬉しいことはないよ」
彼は語り出した。
「君、この脊の高い男が、何時間かの間を、一呎(フィート)も身体を縮めていなければならないと云うことは、全く冗談ごとではないからね。しかしわが親愛な相棒君、――この種々(いろいろ)の話をする前に、もし君が協力してくれるなら、ここに一つの困難な、かなり危険な夜の仕事があるのだが、いずれそれをすましてからの方が、君に一切の顛末を話すのに、好都合だと思われるんだがね」
「いやしかし僕は、好奇心で一ぱいなんだが、今すぐにききたいものだがね」