われわれ二人は、滝の縁で揉み合ったままよろめいた。僕は、いわゆる日本の柔道と云ったようなものに、多少の心得があるが、これは一再ならず僕には有効であったものである。僕がするうっと彼の把握から抜け出ると、彼はもう死に物狂いの金切声を上げながら、ものの数秒間も無茶苦茶に僕を蹴り、それから両手で虚空をつかんだ。しかしそうして彼が、死に物狂いの努力をしたにもかかわらず、身体の平均はますます崩れて、遂に転落してしまったと云う始末さ。僕は断崖の縁から顔をのぞかせて、長い距離を転落してゆくのを眺めた。彼の身体は一度は、大きな岩に打ちつけられ、それから大きく跳ね上りざま、ざんぶと水に落ちて行ってしまったのだ」