それから遂に、君たち一行は、それは止むを得ないことであるが、全く誤った断定を下して、ホテルに引き上げてしまったので、僕は全く一人ぽっちにのこされてしまった。これで僕の大冒険もいよいよ終りかと想像したら、俄然、更に全く夢想もしなかった事件が突発した。僕には全くこの上にも、危険が取りのこされていることに気がついた。と云うのは突然一つの大きな岩が、上の方から転落して来て、僕の横わっている上を、唸り越えて、小径に打ち当り、更に断崖の下の方に跳ねとんでいった。最初のちょっとの間は、これはただ偶然の出来ごとに相違ないと思った。がしかし僕はすぐに、見上げた途端に、もう暮れかかった薄暗(うすやみ)の空の前に、一人の人間の頭を見止めた。