そして拳銃(ピストル)の引き金に、しっかりと手をかけた。濃い暗黒を通して見つめると、その暗黒の中に巨大な男の輪廓が、開け放たれた扉(ドア)の暗さよりもいっそう濃く黒く見えた。それからその姿は、ちょっとの間立ち止まったが、やがてまた跼(うずくま)った這う形になって、威嚇するような姿勢で、室の中に入って来た。もう吾々の直前三碼(ヤード)のところである。私はこの悪相の姿が、飛びかかって来はしまいかと思って、身構えて用心したが、しかしその姿は、吾々の存在に気がつかないのであった。それからその姿は、我々のすぐ側を通りすぎて、窓に忍び寄って、実に静かに窓を半呎(フィート)ばかり開けた。