ステッキのようなもの

コナン・ドイル
三上於莵吉訳
ステッキのようなものを手に持っていたが、それを床の上に置いたら、金属性の音を発した。それから彼は、外套のポケットから、嵩ばったものを取り出して、いかにも慌てているように、手早く何か仕事を始めた。そしてその仕事は、スプリングか釘のようなものが、ガチャンと嵌まりこんだような音をたてて終った。それから今度はなお膝まずいたままで、一本の挺子(てこ)のようなものに、全身の重さと力をかけて、捻じ廻すような、磨(ず)りつけるような音もたてたが、最後にやはり大きな音を立てて、この仕事も終った。
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