彼は立ち上ったが、手にしたものを見ると、はなはだ珍稀(ちんき)な台尻のついた、一種の鉄砲のようである。彼は銃尾を開いて何か装填し、そして遊底を閉じた。それから彼は、身を屈めて開かれてある窓の縁に銃の先端を置き、爛々たる眼光で照準はつけられた。その重い髭も銃床の上に垂れかかっている。銃床を肩につけた彼は、満足らしく溜息を漏らす、――しかも更に驚いたことには、その照準された銃口の延線は、かの黄色い窓かけの上の、真黒い影像ではないか! その男はしばらくは不動のままである。やがて指は引金にかかった。異様な高い風を切る音、――それから銀のような、硝子(がらす)を破る音、――。