そうだ、君はあの一八八七年に、ラウダーに突発した、ステワート夫人の死を知っているだろう、――ね? 知っているね? そうだ、あの事件の底にはこのモランが隠れていたのだが、どうしても証拠を上げることが出来なかったのだ。モリアーテー教授の一党が、解散となった際にも、彼は実によく隠れて、遂に我々は彼を有罪にすることは出来なかった。君はあの僕が君の室を訪ねて、ひどく空気銃を恐れて、神経質に閉めたことのあったのを、知っているだろう。君はあの時僕を妄想者だと思っただろうが、実際僕は、この恐るべき空気銃と、その後には更に畏怖すべき名射手の居ることをよく知っていたので、僕はやはりああせざるを得なかったのだ。